世界 米当局が民主党・オマル下院議員の自宅を家宅捜索 中間選挙控え「政治的弾圧」と反発の声
米連邦捜査当局は12日、ミネソタ州選出の民主党・イルハン・オマル下院議員のワシントン近郊の自宅を家宅捜索した。司法省は連邦犯罪捜査の一環と説明したが、詳細は公表していない。中間選挙を目前に控えた異例の強制捜査に対し、オマル氏や民主党指導部は「政治的脅迫」として強く反発している。 国土安全保障捜査局による家宅捜索の実施 米司法省の報道官は12日、国土安全保障捜査局(HSI)の職員らが、イルハン・オマル下院議員の住居に対して裁判所の許可を得た捜索令状を執行したと発表した。bbc.comによると、現場では当局者が箱をバンに積み込む様子が目撃されている。捜査当局は現在進行中の連邦犯罪捜査の一環であると述べるにとどまり、具体的な容疑や捜査の対象については明らかにしていない。CNN.co.jpは、今回の捜査が選挙のわずか数週間前という異例のタイミングで行われたことを報じている。 オマル議員と民主党による「政治的脅迫」との批判 オマル氏は自身のソーシャルメディアを通じ、今回の捜索を「ドナルド・トランプ大統領による政治的脅迫キャンペーンの新たなエスカレーション」だと厳しく非難した。オマル氏は「トランプ氏は10年間、根拠のないうそと中傷で私を標的にしてきた」と主張し、自身の潔白を強調している。また、下院民主党指導部も声明を発表し、中間選挙を控えたこの時期の捜査を「正当に選ばれた連邦議会議員とその家族の家への押し入り」と呼び、連邦政府の権力乱用であると批判した。 写真:Yahoo!ニュース トランプ大統領の関与否定と過去の対立 トランプ大統領は12日、記者団に対し、オマル氏への捜査について「一切関与していない」と述べ、自身の関与を否定した。一方でトランプ氏は、オマル氏を「ひどい人物」や「不平ばかり言う人」と呼び、以前から同氏の移民としての背景や政治姿勢を攻撃してきた。オマル氏はソマリア出身で、10代で米国に渡り市民権を取得した経緯を持つ。FOXニュースは、今回の捜査がオマル氏の父親が過去に提出した移民関連の書類に関連している可能性があると報じているが、当局による公式な確認はなされていない。 中間選挙直前の捜査が及ぼす政治的影響 今回の家宅捜索は、議会の勢力図が決まる中間選挙まで22日という極めて敏感な時期に行われた。司法省は通常、選挙への影響を避けるため、候補者に対する積極的な捜査を控える方針をとっている。そのため、今回の措置は民主党内から強い反発を招いている。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は「トランプ大統領が権力を乱用し、政敵を攻撃している」と述べ、選挙への干渉であるとの見方を示した。一方で、共和党の一部議員からは「誰も法を超越できない」として、捜査を支持する声も上がっている。 今後の捜査の焦点と不透明な事実関係 * 司法省は捜査の詳細を公表しておらず、容疑の全容は不明である。 * オマル氏側は不正行為を否定し、捜査を「完全なインチキ」と断じている。 * 共和党側の一部は以前からオマル氏の移民関連記録の精査を求めていた。 当局の捜査が今後どのような方向に向かうのか、また今回の強制捜査が中間選挙の投票行動にどのような影響を与えるのかは現時点では不透明だ。すでに一部の州では投票が始まっており、ミネソタ州でも有権者が投票を済ませている。オマル氏が捜査に関連してどのような法的対応をとるのか、また司法省がいつ捜査の詳細を公にするのかが今後の焦点となる。